きみと1番目の恋

持っていたワイングラスを
机に置くと武彦は頭を下げた。

武彦に頭を下げられたのは
初めての事だった。

武彦「この間の事は...本当にごめん。
子供の事もきちんと話さなくて
悪かったと思ってる。
でも、信じて欲しい。
本当に、妻との間に愛はないんだ。
子供はたまたま出来てしまった。
言い訳に聞こえるかもしれないけど
俺が愛してるのは翼だけだ。」

今までの私なら...きっと...縋りついた。

傷付いても辛くても
武彦の事が好きだから我慢出来た。

信じられそうにない嘘の言葉にも
頷く事が出来た。
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