きみと1番目の恋

未練はない。諦めていたから。

だけど、不安はある。
嘘ばかりついてきたせいで
本当が分からなくなっていた。

武彦を失って、これから先
生きていけるのか。
郁人くんに想いを伝えて
幸せになれるのか。

何もかも、分からない。

だけど、終わらせなければ
始まらないから。

ここでピリオドを打つんだ。

翼「...今まで...本当に...
ありがとう...ございました。
奥さんと子供の事を
大切にしてあげて。」

バックから取り出した
キーケースの中から
この家の鍵を手渡す。
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