きみと1番目の恋
お酒を飲んで涙脆くなった事なんて
今まで1度もなかったから...
目から溢れ出したこの涙は本物だろう。
郁人くんを想っての涙だろう。
私、いつの間に...こんなに...
郁人くんの事、好きに
なってたんだろう...。
マスター「本当にバカだな。
若宮さんは。郁人の言う通りだ。」
翼「マスター、酷い事言うね。」
マスターが持ってきてくれた
ティッシュケースから
数枚ティッシュを取り出し
涙を拭う。
マスター「甘えられて鬱陶しいと
思うか、甘えられて嬉しいと
思うかは郁人の自由ですよ。」
翼「でも、間違えて欲しくないんです。
だって...郁人くんには
一緒に住んでる人がいるから。
時間をかけて好きになりたい人。
同じ時間を共有したい人。
それっていつでも偶然に
出会える訳じゃないから。
その気持ちを大切にして欲しい。」