きみと1番目の恋
武彦「乗ってけば?」
翼「...うん。」
エレベーター内は
重い空気に包まれていた。
当たり前だ。
別れたばかりの男女が
楽しい会話なんて
出来るはずがない。
...だけど、お礼だけは
ちゃんと言おう。
武彦のお金を使わせているのは
事実なのだから。
翼「...部屋...ありがとう。
新しい部屋見つかるまでは
自分で払うから...振込先教えて。」
武彦「いいって。
言っただろ?好きなだけ
住んでて構わないから。
翼の事、傷付けた慰謝料だと
思って甘えとけよ。」
ああ、本当...最低だな、私。
優しくされると泣きたくなる。
誰でもいい。甘えたくなる。