きみと1番目の恋

断られて傷付くくらいなら...
今の郁人くんとの関係がなくなって
しまうなら...逃げたくて仕方がない。

翼「なんてね。酔っ払いの戯言だよ。
もう明日には忘れてるから。
だから、忘れて。郁人くんも。」

郁人「違うでしょ。
本当は全然酔ってないでしょ。
てか、俺、少なくとも
酒の場での翼さんの事は
誰よりも見てるつもりだから
翼さんが今、酔ってない事くらい
ちゃんと分かるよ。」

だけど、何でも知ってる彼は
私のそんな嘘さえもお見通しだ。

郁人「本当...ズルいなあ、翼さんは。」

新しく届いたビールを一口
飲んだ彼は短い息を吐く。
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