きみと1番目の恋

例えばもしも、優しさ選手権という
名目の競技があるのなら
きっと郁人くんは1位になれる。

そのくらい優しい人だから
武彦を思っての涙は是が非でも
もう二度と流したくはなかった。

私の頭をポンポンと撫で
最後の1つの段ボール箱を彼は開けた。

郁人「よし!後はこの箱だけだな。」

翼「待って!それは...」

気を取られていて
止めるのが一歩遅かった。

開けないでおこうと思っていた
段ボール箱のガムテープを
剥がした郁人くんは
中の物を見ると目を丸めていた。
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