きみと1番目の恋
郁人「...これは?」
翼「両親と弟の。」
叔母さんの家から持ってきた
小さな仏壇。何度引っ越しても
大切にしてきた家族の仏壇。
だけど、いくら
思い入れのある物だからといって
ここに置くつもりはなかった。
こんな話をすれば...
こんな物を置けば...これを見る度に
郁人くんを暗い気持ちに
させてしまうんじゃないかと思い
ダンボール箱の中に眠らせたままに
しようと決めていた。
でも、見られてしまったのだから
仕方ない。話す他ない。
翼「15年前の大きな震災。
郁人くんは知らないよね?」
郁人「阪神淡路大震災の事?」
翼「知ってるんだ。」