きみと1番目の恋

その温もりはお母さんの温もりと
同じだった。安心出来る。
ここにいていい。ここが私の居場所だ。
そう思える温もりだった。

何でも話した。幼い頃の自分。
学校での出来事も。クラスで
気になる男の子の話も。
何でも話してきた。お母さんには。

それに似た温もりを久しぶりに感じて
泣きたくなった。話したくなった。

あの日の出来事を。あの日感じた
気持ちを。...話したくなった。

翼「ずっと言いたくて。誰かに。
でも、ずっと言えへんかった。
こんな事言ったら頭おかしいって
思われそうで怖くて
誰にも言えへんかった。
....確かに、悲惨な災害やったけど
それでも空は綺麗やってんよ。」

郁人くんは優しく私の頭を撫でてくれた。
< 302 / 387 >

この作品をシェア

pagetop