きみと1番目の恋

彼が無断で作った入社証に感謝した。

翼「在り来りな言葉で申し訳ないけど。
これ以上の言葉が思い付かないから
言わせて。...郁人くん、ありがとう。」

郁人「どういたしまして。」

翼「ふふ。」

郁人「何?」

翼「何か分かんないけど...
ちょっと変な感じ。」

ほんの少しだけむず痒かった。
女子高生みたく彼に恋する
自分が恥ずかしくて仕方がなかった。

郁人「うん、俺も。
...とりあえず帰ろ。
俺たちの家へ。」

翼「うん。」

彼から差し出された手を
握り締めると後ろから
菜穂ちゃんの声が聞こえる。
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