きみと1番目の恋

それから、毎日のように
郁人くんは優しい言葉をかけてくれた。

それはそれは優しさの塊みたいな
言葉ばかりで、彼らしい
雲一つない青空のような言葉ばかり
かけてくれた。

そんな言葉が嬉しくて
大好きだったけれど
今はそれが重荷に感じる。

あの日から、郁人くんとは
1度も顔を合わせていない。

部屋から1歩も出なくなった私を
咎める事もせず、優しい言葉だけを
かけ続ける郁人くんが今どんな
気持ちなのか私には分からない。

相変わらずのネガティブが
顔を覗かせて、嫌悪にまみれ
罪悪感に苛まれ...一方で
早く郁人くんに笑顔を見せたいと
焦っていた。
< 349 / 387 >

この作品をシェア

pagetop