きみと1番目の恋

郁人「じゃあ、俺は人の何倍も
乾杯しなきゃだな。」

でも、そうじゃなかった。
言葉のおかげではなかった。

ゆるふわパーマの髪の毛を耳にかけた時
その安心感の理由を知った。

郁人くんの右耳たぶにある
少し大きめのホクロ。
私の弟にも同じ場所にホクロがあった。
15年前に亡くなった弟にも。

だから、私は気を許せたんだ。
彼には、弟といるような
家族といるような安心感がある。

だから、何でも話したいと思えるんだ。

翼「どうして?」
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