きみと1番目の恋

町田くんから資料を預かると
郁人くんに貰ったチケットで
広場の中へと入った。

郁人くんは相当な人気者のようで
あちらこちらに郁人くんの
名前入りのうちわを持った子達がいた。

席に座るとすぐに
郁人くんが会場内に現れた。

いつになく真剣な表情の彼。
その姿を見ただけで
彼が今、本気なんだと伝わってくる。

空を見上げ、深呼吸をし
視線を戻す時、一瞬だけ
目が合ったような気がした。
...なんて、こんなにも
遠い距離見えないか。

演技が始まると息を飲んだ。
凄いという言葉以外出てこなかった。
< 92 / 387 >

この作品をシェア

pagetop