きみと1番目の恋
新しい連絡先が追加される事なんて
幾度となく経験してきた事なのに
今日は何だか特別だった。
恋心と言うよりは
失ったものを手に入れた
感覚に近いのかもしれない。
もう二度と会えない弟と
郁人くんを重ねるのは
申し訳ないけれど
大切にしたい存在に変わりなかった。
それでも、1番は変わらない。
どんな出会いがあったって
武彦を嫌いにならない限り
彼は私の不動のセンターだ。
会社に戻り、武彦を待ちながら
残りの仕事をしていると
スマホが鳴った。