きみと1番目の恋

それからは仕事も手につかず
この虚しさを埋める術なんて
知らない私は街へと繰り出した。

会社近くの居酒屋に入ると
金曜日だからか沢山の人で
賑わっていた。

店員「お一人様ですか?」

翼「はい。」

店員「カウンターのお席で
よろしいですか?」

翼「はい。」

カウンター席に通され
おしぼりで手を拭くと
私を包み込む無数の笑い声が
孤独に拍車をかけた。

頼んだビールを一気に飲み干すと
その店を後にした。
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