明日も、コンビニ裏で
試験が近いことを口実に翌日も部活をサボって、あたしはコンビニへ直行した。
3時まで、あと5分。
今日はMAXバーチョコミントを余裕を持って買うことができた。おじさんが買う分もちゃんと残っている。
自転車置き場に、まだあのひとは現れない。
と思ったら、淡いブルーの作業着が通りの向こうから近づいてくるのが見えた。
ああ、嘘じゃなかったんだ。

「何部?」
「ん?」
「部活」
「ああ、新聞部」
「ひんぶんぶ?」
おそろいのアイスをくわえたまま、おじさんは驚いた顔をした。
「校内新聞を発行してるの」
「へえ。マスコミ志望?」
「…特にそういうわけじゃ、ないけど」
今日はあたしの方が先に食べ終わった。やっぱり指がべたべたする。
「楽しそうだね。記事作ったり、割り付けたり」
「…うん、まあ」
「行かなくていいの? 今日とか」
「……人間関係がね、いろいろめんどくさいの」
そっか。
おじさんは静かに言って、あたしにちらりと視線をよこすと、一気にアイスを食べ進めた。
深入りしないでくれるのが、ありがたかった。
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