空を見上げる彼女
1章 春
「おーい、空!!」
そう言って大声で教室に入ってきたのが、
慎也。

僕の幼稚園からの幼馴染だ。

「・・・・・」

「空!おはよ!」

「ん・・・。なんだお前か・・・おはよう〜」

「どうしたんだよ〜元気ねーじゃん。なんかあったんか?」

「なぁ慎也・・・」

「ん?」
そうやって不思議そうに僕の顔を見つめる慎也に僕は

「もしだよ?もし、目の前の人が空を見上げながら泣いてたらどー思う?」

彼は
「もしそんなことがあってもどーも思わないだろ。」と笑いながら答えた。
かと思ったら真剣な顔になり
「まぁ、何で泣いてんだ?って疑問には思うわな」とまじめに答えた。

「そうか〜そうだよな〜・・・・」

僕はそのまま顔を伏せた。

「空、お前ほんと大丈夫か?なんかあれば相談乗るぞ〜」
彼はそう言い残して教室を去っていった。






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