真の魔性の女は、色気がない
真の魔性の女は、色気が無い。
T観光株式会社、今日からここで働く。
地方の小さな、観光バス会社だ。
前にいた会社は、そこそこ大手の旅行会社だった。
じゃあなぜ、こんな会社に転職したのか。
それは・・
「大島君、おはよう。今日からよろしくね!」
可愛らしい声で挨拶をされた。ああ、ミエちゃん!
「おはようございます。こちらこそ、よろしくお願いします。」
いつもより深くお辞儀をした。
ミエちゃんは、堅すぎと笑っていた。
そう、僕が、この小さな観光バス会社に転職したのは、憧れのミエちゃんが居るからだ。
僕が前の会社で添乗員をしていた時、何度かバスガイドとして、一緒に仕事をしたことがあった。
ああ、これから、ミエちゃんと一緒に仕事が出来る!
ドキドキしながら、ミエちゃんの笑顔を見つめた。
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