僕ら死神の仕事
「あー!もう!なんで休日出勤なんかしなくちゃならないんだよ!」

「仕方ないだろ…俺ら以外にやる人居ないから。」

死神は本当に人数が少ない。

いや、ちがうな。

人数は多いが世界中担当しているから何億何京といても足りない。

こんなんだからブラック企業になるんだよ。

心の中で悪態をつきながらリストにチェックを入れてページをめくる。

死神には魂を回収する係、裁判を開く係、そして牢獄の見張り係がある。

僕は魂を回収する係。

今日は回収リストが多すぎて手が足りないらしくヘルプとしての参加だった。

「人数タダでさえ少ないんだからアルバイトでも募集すればいいのにさ。」

「死神にアルバイトもなにもないだろ。というかあったとしてまず応募しないな。」

「イサヨってば現実的〜!」

「どっかの女子高生か。口調がすごく変。」

「そこまで言われると流石の僕も傷つく。」

すると下の方にリストに乗っている男性がいた。

「ターゲット見つけたけど…まだ時間あるな…」

「イサヨ〜なんか面白いことしてよ!」

「無茶振りはやめような。」

リストには名前、写真、死亡原因、そして死亡時刻が書かれている。

死亡原因は僕らが殺害したとしても書かれてる通りになるからいいけど問題は時刻だった。

リストに書いてある時刻と同時刻に魂を回収しなくてはならなかったんだ。。

「ねぇ、イサヨ。今何時?」

「13時49分。」

あと…7分後。

「ねぇ。死因はなんだっけ?」

「リストはゼロが持ってるんだろ?確認すればいいじゃん。」

灰色のどこにでもありそうなバインダーに挟まれた10何枚もあるリスト。

1番上にあるページの死因のところには

『刃物による出血多量。』

と書かれている。

「失血死だってさ。」

「最近刃物の話多いな。昔みたいなジャックザリッパーでも出たのかってほど。」

「ニュース見たことあるけどだいぶ酷いみたいだよ。無差別殺人としてケーサツは見てるみたいだけどね。」

「よく見てるなそんなの…地上ってこえーな。」

「死神の僕らが言う言葉じゃないと思うよ。」

すると3分前を告げるアラームが鳴り響く。

「さて…仕事だねー。」

「はいはい。俺は見学してますよ。」

「了解。報告は任せるね。」

そう言って細い路地に入った男性の目の前に降りる。

「こんにちは。貴方の事をお迎えにあがりました。」
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