テレビの感想文
「あの人たちにはわからないんです。当事者ではないし、私と同じ経験をしたわけでもないんですから。
 子どもは愛しているけれど、縛りつけられるのは嫌だということが、わからないんです」

赤ちゃんにスプーンで食事を与えている母親の映像。

社会学者のドーナトさんが言います。
「もし、人生をやり直すことができたら、子どもは産まなかったという人たちがいます。産んだことは間違いだったと。

 理由として彼女たちがあげるのは、まず、母親になることにともなう責任の重さです。自分の時間が無くなること、母親になる前の自分が失われることもそうです。

 誰かに依存されるという人間関係が、この人たちにとっては耐えがたいことなんだと思います」

さらに、哲学者のバダンテールさんは、
「母親を聖母のように神格化するのは、もうやめにしたいですね。そんな単純な話ではないんです。

 子育てに、本当に成功したといえる母親は、ほんのひと握りなんですから」
と。
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