テレビの感想文
取材を終え、未来にこんなことを言う男性がいた。

「主人公の子は、障害があるせいで、ずーっと自信を持たれへんかった。せやけど、アイドル男子と、スポーツをいっしょにすることで自信を取り戻して、めでたく結ばれる!みたいな」

でも、さっきの女の子(ハル)は、自信満々な子に見えると指摘され、こう言い返す。

「そら実際は、明るく楽しいに生きてる障害者の人、なんぼでもおるやろうけど、ドラマにならんでしょ、それやったら」

すると、未来は少しその発言に疑問を感じたような表情になる。

ドラマにならない? 
日本人は、なにかを頑張って必死になっている人が好きだ。応援したくなるような人が。けど、なぜ、テレビはその見え方(見せ方、というのんが正しい?)をよく使うのか。

ドラマってこうやってつくられてるんだ、と知ることができて、それも見ていておもしろいんだけど、
それより、自分の視点やテレビの見せ方に、実はなにか偏見のようなものがあったんじゃないか? とひとつひとつ違和感に気づかされる。

こういうドラマって、NHKじゃないとつくれないのだろうか?
『バリバラ』はEテレで放送されている、バリアフリーバラエティを掲げる番組だ。この番組、最初は「障害者ためのバリアフリーバラエティ」と名乗っていた。当時、こんな番組が始まったこと自体、画期的だった。

けど、『バリバラ』のような番組は、ほかにつくられることはなく、現在に至っている。

これだけ「多様性」という言葉が世間に認知されたのに、テレビの世界では、車いすに乗った人がレギュラー出演している、というのもほとんど見ない。
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