好きな人は先輩です。
「よし、ちょっとここで待ってて。」



着いたのは、ライブハウス。
忘れ物かなにかしたのかな。



先輩の言う通りバイクの前で先輩を待つ。



すぐに戻ってくると思っていたのにかれこれもう5分。
先輩は全然帰ってくる気配がない。



「君が舞ちゃん!?
瑠衣が大変なんだ!!」



ライブハウスから出てきたのは待ちわびていた先輩ではなく、30代くらいの男の人。



慌てた様子で迫ってきた彼は、私の肩を掴んだ揺さぶった。



『あのっ!何があったんですか!?』



「瑠衣が突然倒れたんだよ!
俺は近くに医者がいるから連れてくる!それまで瑠衣を見ててくれ!!」



肩から手を離した彼は風の速さで走って行った。



それを見てやっと先輩が大変だと言うことを理解して、ライブハウスへ駆けた。



中は真っ暗だった。
ステージの方はスポットライトで照らされているから、まったく見えないという訳でもないけど。
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