好きな人は先輩です。

先輩はどこにいるのだろうか。



『先輩！』



返事ができる状態なのかも分からないけど呼んでみるが、期待していた返事はなかった。



さっきまで、普通に話して笑っていたのに。



もしかして、舞台裏、控え室とかにいるんじゃないの。



さっきの男の人がどこかの部屋に移動させた可能性だってある。



どうやって裏側に行けるのか分からないけど、体育館とかの壇上と同じなら、ステージに1度上がってみるのがいい。




思ったよりも高いステージをやっとの思いでよじ登った瞬間、唯一の光であったスポットライトが消えた。



辺りは真っ暗だ。



ステージの上で無闇に動くこともできないままでただうずくまった。



どうしよう、さっきの男の人帰ってきて！



ﾊﾟﾁﾝ



『えっ！？』



暫くしてスポットライトがまた点いた。



眩しいと目を細めながらも前を向けば、そこには倒れたと聞いていた先輩。