好きな人は先輩です。
昨日、立ち止まって演奏を聞いていた人は沢山いた。



「ん?あぁ。
君の制服。俺、そこの卒業生だから。」



やっぱり、のんちゃんが言ってたOBのバンドだったんだ。



『そう、だったんですね。』



「うん。あと、凄い真剣に見てたから。」



『あっ、いや、その・・・!』



バレていた、恥ずかしい。



「はは、面白いな。
名前は?
俺は、大森瑠衣(オオモリ ルイ)。」



『あ、私は小山舞(オヤマ マイ)です。高2です。』



「俺は大学3年。
よろしくな、舞。」



いきなり呼び捨て!
4つ上ってだけでこうも、余裕があるの?



『よろしくお願いします、瑠衣先輩!』



きちんと目を見たのはその時が初めてだった。



先輩は、やっぱりニコリとカッコよく笑った。



いいタイミングでバスがきて私たちはバラバラの席に座った。



少し残念な気もしたけど、これ以上一緒にいたら死んでしまう気もした。
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