当たり前です。恋人は絶対会社の外で見つけます!
次の日、週末の楽しみは食事。
食べたいものがあるときは一人でもでかける。
あとは平日の分も合わせて買い物をして自分で作る。
あとは、食事以外・・・・・特別に約束もない。
大学のときの友達も時々連絡はとるけど、集まることも少なくて、誰かと会うこともほとんどなくなっていく。
寂しいけど、逞しくもなる。
後、数時間。
目の前の書類をコツコツと入力して減らしていく。
決して嫌いではない作業。
肩こりはあるし、目も疲れるけど、地味な作業は嫌いじゃない。
私に向いてると思う。
あと少しで終りというところでみゆきから付箋が回ってきた。
仕事のあと少し話があると。
うなずいて了解を伝える。
ほぼ残業もなく終わり、ふたりで駅に向かい空いてるカフェに入る。
「どうしたの?」
「あのね、やっぱりやり直すことにした。」
「ん?何を?」
「浮気されたけど、謝ってくれて。だからもう一回やり直すことにしたんだ。」
昨日のさっぱりした笑顔とは違う顔。
それでもうれしそうな表情に見える。
だって、すごく好きだって言ってたから。
やっぱりそんな簡単にはあきらめられなかったらしい。
「そう。」
私が言えることはない。アドバイスなんて偉そうなことはできない。
みゆきが決めたならそれでいい。
「じゃあ、今度はしっかり見張ってて。」
「そうだね。頑張る。」
そういって時計を見る。
だって週末。
この後会うんだろう。
「私はもう少しいるから。」
みゆきが出口を見て千野先輩を見つけたらしい。
疲れた顔でぼんやりしてる先輩。
お疲れ様です、と心の中で声をかけた。
私たちが帰るときもまだ仕事が残っていた。
挨拶して帰ったけど、そう遅くはならなかったみたいだ。
「譲、じゃあね。又、来週。」
「うん、じゃあね。」
みゆきが出口に行きながら先輩のところに近づいていった。
先輩がこっちを見た。
空いた私の向かいを二人で指差す。
先輩がこっちの方を指差して、私を見る。
そこいい?ってことだろう。
うなずく。
みゆきが帰っていって先輩がカップを片手にこっちにやってきた。
「千野先輩、お疲れ様です。」
「只野さん、お疲れ様。二人ともずいぶん先に帰ったと思ってたのに。」
「はい、みゆきとここでのんびりしてました。」
「コーヒーだけ?」
「はい。」
「ねえ、只野さん。ちょっと疲れてて、食事がまだなら美味しいもの食べに行かない?」
先輩と二人で?昨日も食べたのに?
「何か用事があった?」
「ないです。大丈夫です。」
たまには良いか。こんな金曜日も。
コーヒーの残りは捨てて一緒に歩き出した。
適当に歩いてスペイン料理のお店に入る。
お酒を頼んで、数種類の食べ物を。
二人だとタパスの一皿がちょうど良いくらいの量だった。
お手頃価格で何種類も頼めるからいい。
「千野先輩、先輩は別れた彼女とヨリを戻したことはありますか?」
「ブフォッ。」
先輩が分かりやすくむせた。
「あ、すみません。突然。ちょっと聞いてみてただけなんです。」
「それは・・・只野さんの話?」
「えっ、違います。あの友達に相談されたんです。」
あ~、昨日の今日でみゆきのことだとバレるかな?
「うまくいくんでしょうか?やっぱりそれだけ好きだってことですよね。」
「まあ、そうだね。本当に恋愛に限らず人間関係なんてバランスだから。
同じくらいお互いに思うっていうのは・・・・なかなかないのかもね。」
「そうですよね、本当に、分からないです。何で・・・・。」
今何を考えて、誰を思ったのか。
あんまり気がつきたくない気持ちもあった。
急いで気分を切り替えてた。
「周りがどうこう言っても無理ですからね。」
「そうだね。二人が良ければ良いということで。」
「はい。」
「只野さん、週末は何してるの?」
「う~ん、ひとり暮らしのあれこれ、家事。あとはDVD見たり、見たいのは映画館に行ったり。ふらりと買い物したり。」
本当に無駄に過ごしてそうで怖い。
もっと楽しい時間を誰かと過ごしたいのに。
「先輩は?」
「僕もそんな感じ。一人で部屋に居るときは本を読んだりDVD見たり。
ねえ、昨日、一人が想像できるって言われたけど、何してると思ってたの?」
「何でしょうか?一人で静かにしてるのが似合うかなと。綺麗な部屋で、一人でいる感じのイメージです。」
「別に賑やかなのが嫌いなわけじゃないよ。」
「はい・・・まあ、そうですか。」
「そんなに暗いイメージ?」
「いえ、そんなことないです。穏やかなイメージです。先輩と話してると落ち着く感じです。」
「褒めてる?」
「もちろんです。全力で褒めてますが、そうは聞こえませんか?」
「うん、まあね。」
首を倒して先輩を見る。
褒めてるのに。
「じゃあ、今度一緒に映画に行かない?」
「ええっと、はい。見たいのが合ってタイミングが合えば大丈夫です。」
さらりと誘われて、普通の話のついでだと思ったから普通に答えた。
すぐにDVDになるからよっぽど好きな作品だけ映画館に行く。
部屋の小さな画面でも十分だから。
作品に入り込み過ぎて涙を流し過ぎることもある。
最後の悲しい予感だけで最初から泣けることすらある。
楽しい映画はお菓子と飲み物を横に置いて楽しむのもいい。
そんな楽しみ方に満足してる。
それは、デートだったらまた違うだろうけど・・・・。
食べたいものがあるときは一人でもでかける。
あとは平日の分も合わせて買い物をして自分で作る。
あとは、食事以外・・・・・特別に約束もない。
大学のときの友達も時々連絡はとるけど、集まることも少なくて、誰かと会うこともほとんどなくなっていく。
寂しいけど、逞しくもなる。
後、数時間。
目の前の書類をコツコツと入力して減らしていく。
決して嫌いではない作業。
肩こりはあるし、目も疲れるけど、地味な作業は嫌いじゃない。
私に向いてると思う。
あと少しで終りというところでみゆきから付箋が回ってきた。
仕事のあと少し話があると。
うなずいて了解を伝える。
ほぼ残業もなく終わり、ふたりで駅に向かい空いてるカフェに入る。
「どうしたの?」
「あのね、やっぱりやり直すことにした。」
「ん?何を?」
「浮気されたけど、謝ってくれて。だからもう一回やり直すことにしたんだ。」
昨日のさっぱりした笑顔とは違う顔。
それでもうれしそうな表情に見える。
だって、すごく好きだって言ってたから。
やっぱりそんな簡単にはあきらめられなかったらしい。
「そう。」
私が言えることはない。アドバイスなんて偉そうなことはできない。
みゆきが決めたならそれでいい。
「じゃあ、今度はしっかり見張ってて。」
「そうだね。頑張る。」
そういって時計を見る。
だって週末。
この後会うんだろう。
「私はもう少しいるから。」
みゆきが出口を見て千野先輩を見つけたらしい。
疲れた顔でぼんやりしてる先輩。
お疲れ様です、と心の中で声をかけた。
私たちが帰るときもまだ仕事が残っていた。
挨拶して帰ったけど、そう遅くはならなかったみたいだ。
「譲、じゃあね。又、来週。」
「うん、じゃあね。」
みゆきが出口に行きながら先輩のところに近づいていった。
先輩がこっちを見た。
空いた私の向かいを二人で指差す。
先輩がこっちの方を指差して、私を見る。
そこいい?ってことだろう。
うなずく。
みゆきが帰っていって先輩がカップを片手にこっちにやってきた。
「千野先輩、お疲れ様です。」
「只野さん、お疲れ様。二人ともずいぶん先に帰ったと思ってたのに。」
「はい、みゆきとここでのんびりしてました。」
「コーヒーだけ?」
「はい。」
「ねえ、只野さん。ちょっと疲れてて、食事がまだなら美味しいもの食べに行かない?」
先輩と二人で?昨日も食べたのに?
「何か用事があった?」
「ないです。大丈夫です。」
たまには良いか。こんな金曜日も。
コーヒーの残りは捨てて一緒に歩き出した。
適当に歩いてスペイン料理のお店に入る。
お酒を頼んで、数種類の食べ物を。
二人だとタパスの一皿がちょうど良いくらいの量だった。
お手頃価格で何種類も頼めるからいい。
「千野先輩、先輩は別れた彼女とヨリを戻したことはありますか?」
「ブフォッ。」
先輩が分かりやすくむせた。
「あ、すみません。突然。ちょっと聞いてみてただけなんです。」
「それは・・・只野さんの話?」
「えっ、違います。あの友達に相談されたんです。」
あ~、昨日の今日でみゆきのことだとバレるかな?
「うまくいくんでしょうか?やっぱりそれだけ好きだってことですよね。」
「まあ、そうだね。本当に恋愛に限らず人間関係なんてバランスだから。
同じくらいお互いに思うっていうのは・・・・なかなかないのかもね。」
「そうですよね、本当に、分からないです。何で・・・・。」
今何を考えて、誰を思ったのか。
あんまり気がつきたくない気持ちもあった。
急いで気分を切り替えてた。
「周りがどうこう言っても無理ですからね。」
「そうだね。二人が良ければ良いということで。」
「はい。」
「只野さん、週末は何してるの?」
「う~ん、ひとり暮らしのあれこれ、家事。あとはDVD見たり、見たいのは映画館に行ったり。ふらりと買い物したり。」
本当に無駄に過ごしてそうで怖い。
もっと楽しい時間を誰かと過ごしたいのに。
「先輩は?」
「僕もそんな感じ。一人で部屋に居るときは本を読んだりDVD見たり。
ねえ、昨日、一人が想像できるって言われたけど、何してると思ってたの?」
「何でしょうか?一人で静かにしてるのが似合うかなと。綺麗な部屋で、一人でいる感じのイメージです。」
「別に賑やかなのが嫌いなわけじゃないよ。」
「はい・・・まあ、そうですか。」
「そんなに暗いイメージ?」
「いえ、そんなことないです。穏やかなイメージです。先輩と話してると落ち着く感じです。」
「褒めてる?」
「もちろんです。全力で褒めてますが、そうは聞こえませんか?」
「うん、まあね。」
首を倒して先輩を見る。
褒めてるのに。
「じゃあ、今度一緒に映画に行かない?」
「ええっと、はい。見たいのが合ってタイミングが合えば大丈夫です。」
さらりと誘われて、普通の話のついでだと思ったから普通に答えた。
すぐにDVDになるからよっぽど好きな作品だけ映画館に行く。
部屋の小さな画面でも十分だから。
作品に入り込み過ぎて涙を流し過ぎることもある。
最後の悲しい予感だけで最初から泣けることすらある。
楽しい映画はお菓子と飲み物を横に置いて楽しむのもいい。
そんな楽しみ方に満足してる。
それは、デートだったらまた違うだろうけど・・・・。