当たり前です。恋人は絶対会社の外で見つけます!
隠せない二人の雰囲気ってあると思う。
気が付いたら駅に着いていて。
立ち止まった大場にぶつかった。
「あ、ごめん。」
ビックリした。
驚いて見下ろされて、腕を離された。
「もう、帰る?」
見上げる。当たり前でしょう。もう駅改札の前です。
何故かもう一度聞かれた。
「もう、帰りたい?」
うなずいて返事した。
もうお腹いっぱいだし。
改札の方を見た大場が視線を私に戻す。
ちょっとだけ顔を見られた。
気持ち後ろに重心を移す。
「唇、アホな水疱にはなってない。良かったな。」
そう嬉しそうな顔をして言われた。
すっかり忘れてた。さすがよく覚えてる。
思わず唇を隠した。恥ずかしくなったから。
それにしても・・・・。
頭いいのか?マメなのか?・・・・優しいんだとは思う。
じっと見て判断しようとして、途中であきらめた。
「じゃあな。付き合ってくれてありがとう。楽しかった。」
真面目な顔で言われた。
「ごちそう様。ありがとう。」
そのまま見つめ合ったけど・・・・。
お休みと言えばよかった?
「じゃあ。気を付けて帰れよ。」
「うん、じゃあね。」
手を振って改札へ歩き出した。
大場がどこに住んでるかは知らない。
1人で改札をくぐって振り向くことなく止まっていた電車に乗った。
やっと部屋に帰れる。
いつもよりずいぶん遅い。
それでも二か所もごちそうになった。
借りを作ってしまった・・・。
週末はちょっとだけ節制して。
週末の習慣にしてる河辺の散歩の距離を長くして歩いて歩いて。
何も考えないようにしてひたすら遠くの景色を見ながら歩いた。
うっかりすると、大場の笑顔を思い出しそうになる。
ふたりでいた時のあんな笑顔が意外で。
今まではあんまり顔も見てなかったかも。
揶揄ってばかりの嫌な奴、だったから。
会社では会うこともなく、連絡先も知らないままで、改めてお礼も言えなかった。
ただ、・・・別にいいと思った。
月曜日の午後にはあのビッグカップル破局のニュースは広まったらしい。
残念だと言う人は多かった。
何でだろう。
あの2人は皆の期待のカップルだったらしいけど、何を期待されてたんだろう。
多分、外野が勝手に理想的と期待してただけ。
本人たちはそれを感じてたんだろうか?
でも一方喜んだ人もいるらしい。
しばらくすると何人かが行動を起こしたという話が私の耳にも届くくらいだった。
どうなったかは知らない。
その日も普通の日だった。
平日の、私の特別ミッションがある日でもなく、普通に仕事を終えて残業もなく会社を出た日。
見覚えのある姿はあっさりと私の視線にとらえられた。
大場がいた。
ただ、一人じゃなかった。
隣には背が高い大場に似合う、背の高い美人。
それが誰だかよくわかる。
私でも知ってる数少ない人。
秘書課のあの人だった。
大場の笑顔は私に向けたのとも違う優しい笑顔だったと思う。
本当はよく見えてなかった。
でも二人の雰囲気ってあると思う。
すごくいい感じだった。
離れててもそう分かってしまうくらいには。
私が大場の横にいるとしたら、いつも不機嫌な感じの雰囲気かもしれない。
今改めてそう思った。
声を掛けられると、ついそんな気持ちになってたし。
この間も時々そうなっていた。
今反省した。
すごく我がままな反応だったかも。
だから嫌味なことばかり言われてたの?
それともやっぱり逆?
・・・・まあ、いい。
別に一緒にいる相手じゃないから。
この間ももしかしたら彼女と約束してたのかな?
秘書課だといろいろと忙しいだろうし、時間も読めないかもしれない。
・・・・なるほど、納得。
そうだったのか。
いつの間にかその場に立ち止まっていたらしい。
後ろからたくさんの人が自分を追い抜いていく。
俯きながらゆっくり歩きだした。
改札を通り部屋に戻ってぼんやりした。
買い物してくるのを忘れた。
何だか疲れたから寝よう。
そう思って早く寝た。
関係ない事は忘れて、月末に備えてゆっくり寝た。
月末締め、誰もがうっかりしないように慌てて清算に走る。
各課の予算や物品の請求もある。
そしてバタバタと仕事に追われる。
私にとっては給料日の二日前が山。
いつもの様に会議室にこもって、読み合わせをして最終確認をしてまとめる日。
立ち止まった大場にぶつかった。
「あ、ごめん。」
ビックリした。
驚いて見下ろされて、腕を離された。
「もう、帰る?」
見上げる。当たり前でしょう。もう駅改札の前です。
何故かもう一度聞かれた。
「もう、帰りたい?」
うなずいて返事した。
もうお腹いっぱいだし。
改札の方を見た大場が視線を私に戻す。
ちょっとだけ顔を見られた。
気持ち後ろに重心を移す。
「唇、アホな水疱にはなってない。良かったな。」
そう嬉しそうな顔をして言われた。
すっかり忘れてた。さすがよく覚えてる。
思わず唇を隠した。恥ずかしくなったから。
それにしても・・・・。
頭いいのか?マメなのか?・・・・優しいんだとは思う。
じっと見て判断しようとして、途中であきらめた。
「じゃあな。付き合ってくれてありがとう。楽しかった。」
真面目な顔で言われた。
「ごちそう様。ありがとう。」
そのまま見つめ合ったけど・・・・。
お休みと言えばよかった?
「じゃあ。気を付けて帰れよ。」
「うん、じゃあね。」
手を振って改札へ歩き出した。
大場がどこに住んでるかは知らない。
1人で改札をくぐって振り向くことなく止まっていた電車に乗った。
やっと部屋に帰れる。
いつもよりずいぶん遅い。
それでも二か所もごちそうになった。
借りを作ってしまった・・・。
週末はちょっとだけ節制して。
週末の習慣にしてる河辺の散歩の距離を長くして歩いて歩いて。
何も考えないようにしてひたすら遠くの景色を見ながら歩いた。
うっかりすると、大場の笑顔を思い出しそうになる。
ふたりでいた時のあんな笑顔が意外で。
今まではあんまり顔も見てなかったかも。
揶揄ってばかりの嫌な奴、だったから。
会社では会うこともなく、連絡先も知らないままで、改めてお礼も言えなかった。
ただ、・・・別にいいと思った。
月曜日の午後にはあのビッグカップル破局のニュースは広まったらしい。
残念だと言う人は多かった。
何でだろう。
あの2人は皆の期待のカップルだったらしいけど、何を期待されてたんだろう。
多分、外野が勝手に理想的と期待してただけ。
本人たちはそれを感じてたんだろうか?
でも一方喜んだ人もいるらしい。
しばらくすると何人かが行動を起こしたという話が私の耳にも届くくらいだった。
どうなったかは知らない。
その日も普通の日だった。
平日の、私の特別ミッションがある日でもなく、普通に仕事を終えて残業もなく会社を出た日。
見覚えのある姿はあっさりと私の視線にとらえられた。
大場がいた。
ただ、一人じゃなかった。
隣には背が高い大場に似合う、背の高い美人。
それが誰だかよくわかる。
私でも知ってる数少ない人。
秘書課のあの人だった。
大場の笑顔は私に向けたのとも違う優しい笑顔だったと思う。
本当はよく見えてなかった。
でも二人の雰囲気ってあると思う。
すごくいい感じだった。
離れててもそう分かってしまうくらいには。
私が大場の横にいるとしたら、いつも不機嫌な感じの雰囲気かもしれない。
今改めてそう思った。
声を掛けられると、ついそんな気持ちになってたし。
この間も時々そうなっていた。
今反省した。
すごく我がままな反応だったかも。
だから嫌味なことばかり言われてたの?
それともやっぱり逆?
・・・・まあ、いい。
別に一緒にいる相手じゃないから。
この間ももしかしたら彼女と約束してたのかな?
秘書課だといろいろと忙しいだろうし、時間も読めないかもしれない。
・・・・なるほど、納得。
そうだったのか。
いつの間にかその場に立ち止まっていたらしい。
後ろからたくさんの人が自分を追い抜いていく。
俯きながらゆっくり歩きだした。
改札を通り部屋に戻ってぼんやりした。
買い物してくるのを忘れた。
何だか疲れたから寝よう。
そう思って早く寝た。
関係ない事は忘れて、月末に備えてゆっくり寝た。
月末締め、誰もがうっかりしないように慌てて清算に走る。
各課の予算や物品の請求もある。
そしてバタバタと仕事に追われる。
私にとっては給料日の二日前が山。
いつもの様に会議室にこもって、読み合わせをして最終確認をしてまとめる日。