エスポワール~私と御曹司~
その後ろを御曹司は追いかけてきた。
希「私、今日もバイトなんで。」
望「俺も行くから、その店。」
希「迷惑です。」
我ながら冷たかったと思う。
全ての決定権を握っている人に
とるべき態度ではなかったと思う。
望「いい加減にしろよ!」
私の前まで走ってきた御曹司は
私の事を睨んでいた。
でも、そんな視線は気にならない。
辛くとも何ともない。
だって、私は...諦めたいから。
希「...話してもいいかな?」
望「何?」
希「好きな人が出来た。」
望「そう。」
覚悟は出来たから。
それで私がクビになるのなら仕方ない。
これ以上、御曹司と一緒に
いるよりはずっといい。