エスポワール~私と御曹司~

ひっきりなしに電話が鳴り響き
いつも誰かが動き回っていて
朝のミーティングなんてものは
なかった。

大体、毎日毎日同じ話を繰り返す
ミーティングに何の意味があるのか
未だに分からない。

それでも、出版社にいたという事を
考慮して広報部に配属にしてくれた
社長には感謝しなければならないから
疑問でも不満でも組織に属する
人間としては参加せざるを得ない。

いつもは変わり映えしない
朝のミーティングだけど
今日は少し様子が違った。

時間になっても部長が一向に出社しない。

三田「あれ?部長遅いな。」

社員「どうしますか?三田チーフ。」

三田「とりあえず俺たちだけで
ミーティングをしよう。まずは...」

ーガチャ

三田チーフがミーティングを
始めようとした矢先
広報部の扉が開くと
社員達は一斉に立ち上がった。
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