エスポワール~私と御曹司~
望「行くぞ。」
希「え?もういいんですか?
本当に私の事は気にしなくても...」
望「店を予約してる。」
希「そうですか。」
その後、御曹司が向かったのは
何とも高そうなレストランで
本当にこの人はお金持ちなんだなーと思った。
確かに料理は美味しいけど
何だか少し、味気ない。
味気ないというよりは場の雰囲気に
慣れなくて緊張で味が分からない。
もちろんだけど、目の前のこの人は
怯むこともなく我が物顔で
ご飯を食べている。
私はもっと賑やかで
煙もくもくの焼鳥屋さんとかの方が
良かった。気負いせず、美味しいものを
美味しいと言える店で良かった。
でも、わざわざ店を
予約してくれた御曹司には
そんな事、口が裂けても言えない。