一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~
一夜の過ち
「ん…」
目を覚ますと、背中に柔らかいベッドの感触がした。いつも寝ている寝具より、すこぶる寝心地がいい。
違和感の正体に気づいたのは、まどろみから覚めて部屋が目に入った時だった。
大きな窓から見えたのは、朝日に照らされた高層マンション。天井には小さなシャンデリアが付いていて、ベッドの周りには明らかに高そうな調度品が並んでいる。
(ここ…どこ…?)
ふわふわした意識の中、ごろん、と寝返りを打つ。
すると、目の前に現れたのは綺麗な筋肉質の背中だった。
「っ!!!!」
バササッ!!
つい、身体をのけぞらせるとベッドから転げ落ちそうになる。呼吸を忘れ、思考が止まった。
明らかに男性であろう肩幅と引き締まった体に、思わず目を見張る。
無意識のうちに自分の胸元へ視線を落とすと、昨夜着ていたはずのシャツは形もなく、レースの下着だけを付けた自分がいた。
(あ、よかった…セール品で買ったボロボロの肌色下着じゃなくて…)
って、そうじゃない!ばか!!
慌てて昨日の記憶を呼び起こす。必死に意識を失う前を辿ると、脳裏をよぎったのは“大好きだった彼”の冷たい表情だった。
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