一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~
まずい。墓穴を掘った。
しかし、もう後戻りはできない。彼の追求は容赦なく飛んでくる。
「瀬戸と何してたの?…想像はつくけど。」
「な、何を言ってるんですか!私と瀬戸はそんな関係じゃ…!」
「ふぅん。じゃあ、告白でもされた?」
「っ!」
ぴたり、と動きが止まった。言葉が喉につかえて声がでない。
その一瞬の動揺を見抜かれたのだろう。一歩、私に近づいた彼は、切れ長の瞳をわずかに細める。
「ほんと、嘘がつけないね。少しカマをかけたら全部ボロがでるんだ。」
「…!」
(まさか、わざと…?)
次の瞬間。熱のこもった瞳が私を映す。
「前に言ったよね?俺の目の届かない所では無防備にならないで、って。あんたは隙がありすぎなんだよ。」
「っ、そんなこと…!」
「あるでしょ?瀬戸のこと、同期だと思ってガード緩めてた?…俺は気付いてたよ。あいつが美香のこと好きだって。」
っ、と、息が止まった。
気付いてた?樹さんが?
まさか、周囲にはバレバレだったのだろうか?私だけが鈍かったってこと?