一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~
今、彼と会話をしていること自体が夢みたいだ。
何がどうなってこんなことに?
状況が掴めない、といった表情を浮かべていると、心中を察した様子の彼が、にこりと笑いながら言った。
「いつも樹から話を聞いているからさ。このホテルで働いているって知って、話せたらいいなと思っていたんだ。」
「いつき?」
「久我 樹だよ。君のところのジェネラルマネージャー。」
(あ、あのスーパー御曹司?!!)
もう、どこから突っ込んでいいのか分からないほどの爆弾発言が飛んできた。
久我さんが私のことを知っていたのも驚きだし、私の知らないところで話題に上がっていたことも信じられない。
「あの、久我さんとはお知り合いで…?」
「あぁ。雑誌の対談で何度か会って、今は普通に友人だよ。」
恐るべき交友関係だ。知られざるプライベートで仲がいいなんて、二人のファンからしたら悶絶ものである。