一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~
「っな、なんでキス…!」
「今のは、ごほうび。」
表情一つ変えずに答えた彼。そして、そのまま私を抱き寄せる。
「っ!樹さん…?!」
「…幸せ…」
「!きゅ、急に抱きしめられたら困ります…!」
「…しあわせ…」
「ちょっと、聞いてるんですか…?!」
「…シアワセ…」
もはや一単語しか喋れなくなってしまったらしい。思考回路がショートしたようだ。こんなに素直な彼を、今まで見たことがあっただろうか。
いつもクールな顔をして澄ましている久我 樹がデレる瞬間は、初めて見たかもしれない。
すっ。
私の肩から顔を上げた彼。わずかにまつ毛を伏せる表情が色っぽい。
「美香。スイートルーム、出て行かないでよ。会える時間を減らしたくない。」
「…っ、でも、私には贅沢すぎます…!」
「なら、いっそのこと俺の家に来る?」
「えっ!!そ、それは飛躍しすぎというか…!」
「なら、ここにいて?…おねがい。」