一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~
この男、ここで自分の武器をフルに使ってきやがった。見惚れるほど整った顔で、甘えるように迫られる。
こつん、と額がぶつかる距離で囁かれた言葉。背中には彼の引き締まった腕が回されていて、逃げ場もない。
彼におされるようにぎこちなく頷くと、彼はふわりと満足げに微笑んだ。
やがて熱を帯びた視線が交わって、やや性急に唇を奪われる。
「…んっ。」
角度を変えて落ちてくるキスの雨。我慢していた気持ちが溢れるように、彼は私を求め続けた。
ドサ、とソファに押し倒され、はっ!と目を見開く。私の後頭部を守るように手を差し入れられたことが、彼の理性がまだ働いていることを告げていた。
「あー…まずい。今、ちょっとタガが外れそうになった。」
「ま、待ってください!心の準備が!」
「そう分かりやすく怯えないでよ。むりやり襲ったりしないから。」
じっ、と、こちらを見下ろす彼。すると、彼はそのまま静かに言葉を続けた。
「そういえば、酔った君をホテルに連れて行った夜もこうだった。」
「え…?」
「ずっと好きだった女の子が腕の中にいて、触れたくて触れたくてたまらないのに、手を出せなかった。……美香の“初めて”を、簡単に奪いたくなかったから。」