一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~

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「なぁ、あのベストスーツのいけすかねぇ男、何者なんだよ?」


スイートルームでの夜から三日後の昼休み。

同期の集いで私の前に座る瀬戸が、そう尋ねて眉を寄せた。


「椿さんのこと?樹さんの従兄弟らしいよ。」


「えっ!あのイケメン、久我家の男だったの?!怖いわ…恵まれた遺伝子…」


感嘆の声でぼそり、と呟いた唯だが、瀬戸は不服そうに顔をしかめる。


「最近、うちの部署によく出入りしてるんだよな。ここ数年、一度もこのホテルに顔を出してなかったのに。」


確かに、私と初めてあった日から椿さんはランコントルホテルに滞在しているようだ。今まではニューヨークのホテルにいたらしく、流暢な英語で来客と商談している姿をよく見かける。

まぁ、社内でちらちら見かけることはあっても、お互い仕事中で、私と話す機会はほとんどないが。

瀬戸の言う通り、なぜ急に日本に戻ってきたのかは謎である。

…と、彼の噂話に花を咲かせていた

その時だった。


「あ!美香?」


(!)


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