一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~
暗躍の足音
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『おはようございます!本日、日曜日。各地の天気は晴れで、行楽日和となるでしょう…』
朝のニュースが、清々しい声で天気予報を伝えている。ついに、約束の日曜日となった。彼と会ってもいないのに、つい、そわそわしてしまう。
と、ワクワクが止まらない朝八時。年甲斐もなく浮かれていた時だった。
コンコン
アイロンで髪の毛を巻いていると、不意に扉をノックする音が聞こえた。
アイロンのスイッチを切って、トトト…、と駆け寄りドアノブをひねると、そこに立っていたのはストライプのスーツを着こなした“彼”。
「樹さん…?!」
「ん、おはよ。」
穏やかに私を見つめて挨拶を交わした彼は、部屋の中に入って扉を閉める。
驚きで目を見開いた私は、おずおずと尋ねた。
「ど、どうしてスーツを?それに、待ち合わせはお昼からじゃ…」
すると、彼はわずかに低いトーンで答える。
「うん、そうなんだけど…。実は急に本社から呼び出されちゃって。」