一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~
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『別れよう。美香。』
彼の家で告げられたのは、予想だにしない一言だった。
私は、桜庭 美香(さくらば みか)。ランコントルホテルというビジネスホテルにハウスキーピングとして勤める二十六歳。
恋愛が下手で、好きになった人にも想いを告げられず、ずっと彼氏なしで生きてきた。
大した経験もなく二十歳を過ぎ、周りがどんどん彼氏を作って幸せそうにしているのを見て常に焦っていた私。
先輩と出会ったのは、そんな時だった。
大学生の時にサークルで出会い、卒業してからもずっと好きで、私にしては勇気を出してご飯に誘ったりして、やっと受け入れてもらえた恋だった。
彼を逃したら、もう二度と私なんかを好きになってくれる人はいないかもしれない。
そこまで、彼を想っていた。
初めて男の人と付き合って三ヶ月。ついに、彼の家にお泊まりをする状況で、その一言。
『な…なんで…?私、何かした?』
次の瞬間。彼が放った言葉は、鋭く尖った矢のように胸を突き刺した。
『処女は重い。』