一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~
くすくすと笑った彼の横顔が見惚れるほど綺麗で、嫌になる。
あぁ、この男に惚れる未来が見えた。
だけど今はまだ、そんな胸騒ぎに気づかないふりをする。
ーーブォン。
ホテルの裏口に、静かに車が停められた。辺りは夜の闇に包まれていて、誰もいない。
「今日はご馳走様でした。ご飯、楽しかったです。」
「うん。俺も楽しかった。」
ぺこり、とお辞儀をしてシートベルトを外す。すると、彼はふと思い出したように私に告げた。
「美香。悪いけど、これから少し忙しくなる。当分会えないかもしれない。」
「…!どれくらいですか?」
「んー…三日間くらいかな。」
「あはは…!毎日と全然変わらないじゃないですか!」
なんだ。真剣な顔をしていうものだから、てっきり一ヶ月くらいは会えなくなるんだと思ってた。
すると、むぅ、と眉を寄せた彼は「何言ってるの。会える時間はだいぶ減るでしょ。」と納得いかないような顔をしている。
樹さんって、意外と寂しがりやなのかな。きっと、恋人には溺愛するんだろうな。なんて考えてしまう。
「美香。次会ったら何したい?」
「今から決めるんですか?」
「うん。俺には心の支えがないと。」