一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~
御曹司の甘い素顔

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「あれ?美香、新しいリップ買ったの?」


従業員用の化粧室で鏡に向かっていると、唯に声をかけられた。

どきり、としながらも、平静を装う。


「あー…、うん。ちょっと、ケアしようかなと思って。」


「へぇ。女子力高いね。」


感心したように笑う唯。

ううん。違うんだよ、唯。私は、女子力が高いんじゃない。


『…ふふ。…ちょっとカサカサ。』


三日前にウチのスーパー御曹司にキスをされて、乾燥していて柔らかさが足りない、と微笑まれたから必死になっているの。


(二度と、カサカサなんて言わせるもんか…!!)


…と、そこまで考えて、はっ!とする。

何を私はムキになっているんだ?これじゃあまるで、キスされるのを期待しているような…


ガサガサガサッ!


急いでリップをポーチにしまい込む。きょとん、とする唯を横目に、私は深く息を吐いた。

恥ずかしい。

今日が彼との約束の日で、今日に向けてわざわざ薬局でリップを選んで、いそいそとつけていた自分が恥ずかしい…!

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