一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~
すると、唯は静かに私の肩へ手を置いた。
「でも、私は友達の美香が無事でよかったって安心してるよ。…無事かどうかは怪しいけど…」
友人は、ぽんぽん、と私を撫で、言葉を続ける。
「この話を瀬戸くんにしたら、ショックで卒倒するだろうね。」
瀬戸くんというのは、私と唯の同期である、営業部の瀬戸 慶太(せと けいた)のことである。
三人はよく飲みに行く仲であるが、唯の言葉に首を傾げた。
「確かに引かれるかも…。でも、卒倒まではされないと思うよ…?」
「瀬戸くんの気持ちを知らないから、そんなことを言えるのよ。」
「?」
意味深な顔をした唯に首を傾げると、彼女は、はぁと息を吐いて続けた。
「それにしても、ちょっともったいなかったんじゃない?酔っ払いから助けてくれたヒーローみたいなイケメンと一夜を共にしたんなら、連絡先くらい聞いてくればよかったのに。」
「うーん…動揺しちゃって、そこまでは…。…でも、なんかどこかで見たことがあるような顔立ちだったんだよね。」