一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~

彼は、動きを止めない。背中をなぞるように触れる指。

ぞくり、と甘い痺れがはしる。


「こ、困ります…!」


「…あー、風邪がうつるかも…」


「そういう問題じゃなくて…!!」


抵抗出来ない

だから、困るんだ。


パチン。


その時。彼の指の動きに合わせ、ふっ、と胸の締め付けが緩んだ。

えっ?

この男、まさか、下着のホックを外した?


(っ、て、手慣れてやがる…!!)


「い、樹さん!熱が上がったら桐生さんに怒られます…!」


「だろうね。…美香が本気で嫌だったらやめる。」


「っ!」


ずるい。

ずるいでしょう、その言い方は。

すっ、と私の首元に顔をうずめる彼。熱い吐息が耳にかかる。


「今度は忘れさせない。」


「…っ!」


理性の壁が、音を立てて崩れ落ちた。こんなにあっさり攻略されてしまうなんて。

この男じゃなかったら、こんな簡単に受け入れたりしなかったのに。


(もう、どうにでもなれ…!)


彼の背中に手を回した。ぴくり、と震えた彼は、はぁっ、と息を吐く。

…と、彼が私の首筋に口付けようと近づいた

その時だった。


< 81 / 186 >

この作品をシェア

pagetop