一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~
同期の告白
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「はぁ…。」
「ふっかいため息ねー。幸せが逃げるよ?美香。」
一週間後。
休憩時刻に私の隣でパンを頬張った唯が、眉を寄せてそう言った。
天気のいい屋上でさわさわと心地いい風に吹かれているものの、私の心は晴れない。
「この前、久我さんの家まで看病しに行ったんでしょ?いい感じじゃん。何をそんなに落ち込んでるの。」
「げほごほ、げほっ!」
つい、パックのお茶が気管に入って咳き込む。当の本人はしれっ、としていた。
「な、なんでそのことを…?!」
「私の情報網を甘く見ないで。もし美香に久我さんの風邪がうつったら仕事の穴を埋めるよう、桐生さんから頼まれてたから。」
(…っ、あの敏腕秘書…!)
興味津々、といった様子の唯は「…で?」と、私にずいっ、と近づく。
「久我さんの具合はどうだった?風邪がうつるようなことしちゃったわけ?」
「し、してないから!変なこと言わないで!!」
確かに、一度は“そういう雰囲気”になりかけた時はあったけど…!
「むしろ、その逆。関係が後退したというか…」
「?」
きょとん、とする唯に、モヤモヤの原因となった一言を放つ。
「私、まだ処女だった。」
「っぐ…っ!!!!」