一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~

眉を寄せて唸る瀬戸。しかし、いくら仲の良い同期といえど、ぽろり、と話せる話題ではない。

少しでもボロが出れば、樹さんとの出会いが酔った勢いでホテルに行った夜だということがバレてしまう。

普通の恋愛相談ならまだしも、わりとディープな恋愛事情を瀬戸に告げるのは何となく気が引けた。

すると、私の中でストッパーがかかっていることを察した様子の瀬戸は、微かにまつげを伏せて息を吐く。


「今夜、空いてるか?」


「え?」


「イベントが無事に終わったから、営業部で飲みに行くことになったんだ。…暇だったら来いよ。」


その誘いに、私はまばたきをする。


「打ち上げでしょう?他部署の私が行っていいの?」


「あぁ。同期には全員声をかけてるんだ。合コンのノリで来る奴もいるしな。三嶋は来るだろ?」


「瀬戸くん。人を飲みたがりみたいに言わないでくれる?せっかくのお誘いだし行くけどさぁ。」


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