ワケあり同士による華麗なる政略結婚
その姿を見ただけで気持ちが穏やかになり、額のシワがなくなったのが分かった。
いつも独りだった。
その孤独をいつしかなんとも思わなくなって、寧ろ快適だと思うようになっていた。
それがこいつと暮らし始めてから、誰かが自分の帰りを待っているという事がこんなに嬉しい気持ちにさせるなんて知らなかった。
その透き通るような肌に手を伸ばせば、少しくすぐったそうな顔をして穏やかな表情を見せるこいつの唇に顔を寄せる。
寝ている女にキスするなんて自分の行動に驚きながらも、衝動に駆られて何度も唇を奪う。
次第に湧き上がる欲情。
「んっ、、、。」
理性を失い掛けたその時、あいつの声にハッとなってダイニングテーブルを離れた。