ワケあり同士による華麗なる政略結婚
『いや、、、もう少し慣れてからの方がいいと思う。今日の感じだとあいつに無理をさせる事になる。』
無理をさせれば自分だけに見せてくるあの笑顔までなくなるのではないかと返事を渋っていると、父親と目があって困ったような顔をした。
「お前は意外と過保護だったんだな?前のお前からは考えられないような事言うようになった。、、なら言い方を変えようか。必ず連れて来なさい。これは社長命令だ。」
嬉しそうに笑って部屋を出て行く父親に舌打ちをした。
、、、朝、話すのが憂鬱になった。
あいつの事だ。
少し不安そうな表情をしながらも、一つ返事で了承するだろう。
それが容易に想像できて溜息が出た。
顔を上げると拳を強く握っている澤村が何かを小さく呟いた。
「、、絶対に、、許さ、、。」
その言葉は聞き取れなかったが、表情を見るからにあまりいい言葉ではなさそうだ。
少し気をつけておいた方が良さそうだと感じた。
目が合うと普段通りの表情に戻り、澤村はテキパキと仕事を始めた。
大学の後輩だったこいつは仕事が出来る分、手放すには少し惜しい。
少し様子を見る事にして自分も仕事に取り掛かった。
あいつの笑顔を思い浮かべて。