ワケあり同士による華麗なる政略結婚
いつから見ていたのだろう。
見つめられて恥ずかしいのに、目を逸らすのがなんだが嫌で見つめ返す。
するとゆっくり彼の顔が近づいてきて思わず目を閉じた。
優しく押し当てられたキスは、日に日に優しくなっているように感じる。
まるで彼自身のように。
直ぐに離れて行ってしまった彼の唇が恋しくて眉を下げると、もう一度キスをくれた。
『、、そんな顔するな。歯止めが効かなくなる。やっと少し慣れてきた所で事を急ぎすぎると逆戻りするぞ。完全に治したいんだろう?』
「、、はい。」
『なら無理はするな。まぁ、そんな事を言っておいて矛盾したことを言うが2ヶ月後の月末だが夜、空けられるか?』
珍しく気まずそうに頭を掻きながら話す彼が、少し可愛く見えて頬を緩ませながら頷く。