ワケあり同士による華麗なる政略結婚
彼の問いかけに、びくっと大きく肩が上がってしまう。
「、、そうね。カウセリングをしたほうがいいわね。ご主人には外に出てもらう、、?」
私の態度に言いにくい話だと分かったようで、先生がチラリと彼の方を見た。
その雰囲気を感じ取った彼は小さく頷く。
『では、終わったら呼んで下さい。今はどうしても1人にしたくないので。』
先生に深々と頭を下げてドアノブに手を掛けた彼に、思わず叫んだ。
「ここに居て下さいっ、、!!私の事を幻滅されてらっしゃらないのなら、、側に居て下さい、、誠也さん、、っお願いします、、。」
一瞬驚いた表情を浮かべた彼だったが、直ぐにドアノブから手を離しこちらに向かってくる。
そんな彼に震えながら手を伸ばすとベッドの脇に座り、震える手を握りしめてくれた。
『幻滅なんかするわけないだろ?』
目を細めて優しい表情を浮かべながら、手を強く握ってくれる彼の優しさに冷たくなっていた心が途端にあったかくなった。
「、、ありがとうございます。」
『ん、、。』