ワケあり同士による華麗なる政略結婚
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「、、美麗ちゃん、完全に眠ったみたいですよ。そろそろ横にしてあげましょう。」
落ち着かせる事に必死になり過ぎて、主治医の存在を忘れていた。
「、、、、本宮さんは美麗ちゃんの男性恐怖症になったキッカケをご存知ですか、、?」
ゆっくりとベッドに横にして布団を肩まで掛けていると小さく呟く主治医の言葉が聞こえ、振り返った。
『いえ、、聞いてません。』
「美麗ちゃんは随分と貴方に心を許しているようですし、、少し話をしましょうか。夫婦ならば、知っておいた方がいい事だと思いますので。」
『はい、、、。』
このホテルのスイートルームは寝室とリビングはキチンと仕切られている。
眠る美麗をもう一度確認してから寝室の扉を静かに閉めた。
向かい合わせに腰を下ろすと、真剣な表情を浮かべる主治医がまっすぐとこちらを見つめてきた。
「最初に1つだけ聞かせてください。夫婦になったキッカケは人様々で、、特に貴方達のように大企業の御曹司や御令嬢となれば結婚相手を自由に決められない事もあると理解しています。」
『そうですね。俺たちは恋愛結婚じゃない。籍を入れて随分と経ちますが、共に生活し始めたのはつい数ヶ月前です。正直、、あいつの事を何も知りません。』