ワケあり同士による華麗なる政略結婚


もしかすると関係者もいるかもしれない。

だったら失礼のないように対応しなければ。







深く頭を下げてから笑顔で顔を上げた。




「お誘いありがとうございます。でも1人ではありませんので、、申し訳ありません。」






そう声を掛けると目の前の男性は頬を染めた。





「お友達と一緒ってこと?じゃあ、その子も一緒にだったらどう?俺も誰か1人呼ぶから4人でさ、、ね!」

「え?いや、あの、、お友達ではなくてですね、、その、、。」

「え?なに?よく聞こえないけどとりあえず行こうよ。」







戸惑っている間にどんどんと話が進んでしまい困り果てて俯いていると、その男性と私の間に割って入る人影が見えた。























『俺の妻に何か御用か?』



聞き慣れたその声はいつもよりも低くて、怒りを感じた。






「い、いえっ、、!」


男性も私と同じように感じ取ったらしく、慌ててその場を立ち去って行った。










「誠也さん、、すみません。お手を煩わせてしまって、、。」

『そう思うんだったらお前もいちいち相手にするな。ああいう時はヘラヘラ笑い掛けずに無視しておけばいいんだよ。』

「そ、そんな失礼な態度を取るだなんてっ、、!」





ついムキになって声を上げると、振り返った彼が冷たい表情をしている。

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