ワケあり同士による華麗なる政略結婚
『今まではずっとそうしてきただろ?お前は世間知らず過ぎるんだ。今まではお前が男性恐怖症で顔を上げる機会も男と話す機会も無かっただろうが、これからは違う。こういう場面は確実に増えてくる。怖い思いをしたくないのなら無闇に愛想を振りまくな。、、自分が男達の目を引いているという自覚はないのか?』
「え、、?それは私のなりがあまりにも見すぼらしくて目を引いているという事ですか、、?」
私が目を引くなんて理由がそれ以外に思いつかず、顔に似合わず可愛い服を着てしまったことを凄く後悔した。
恥ずかしくなってスカートの裾をぎゅっと握りしめると、最大な溜息が聞こえた。
『そうだったら声なんてかけられないだろうが。目を引く理由はお前が可愛いからだ、、もっと自覚しろよ。今日は俺がいるが1人で出歩く時にはそんな服着るな。この短時間でも男達の視線が鬱陶しい。』
空耳かと思うほどの彼の甘い言葉に、真っ赤になって顔を上げると頭におっきな手が降りてきてすぐに無理矢理下を向かされた。
『堂々としろとは言ったがケースバイケースだ。そういう顔はこんな所でするな。、、もう行くぞ。そのまま下向いたまま来い。』