ワケあり同士による華麗なる政略結婚
どのくらいそうしていたか分からない。
でも車のフロントガラスは2人の熱気で曇るほど長い間キスしていたのは事実だ。
ようやく彼が離れて運転席に戻っていった彼を肩で息をしながらボンヤリ見つめると咄嗟に目を逸らした彼が呟いた。
『物足りなさそうな顔するな。、、デートどころじゃなくなるだろうが。それにお前もこれ以上は怖いだろ、、。今はこれで我慢してやる。、、で、何処に行きたいんだ?ちゃんと考えてたんだろ?』
物足りなさそうな顔をしている自覚は無かったが、彼が離れていって少し寂しさを感じていた。
それが顔に出ていたなんて恥ずかしくなって、伸ばそうとした手を引っ込めた。
だってこれから初めてのデートだ。
忙しい彼と、もうこんな機会ないかもしれないのだから思いっきり思い出を作りたい。
「、、はい。今からの時間ならイルミネーションを見に行きたいですっ。凄い綺麗な所があると同僚の子達が話してて。ずっと羨ましいなって思ってました。」
『じゃあ案内しろよ。俺もイルミネーションなんてわざわざ見に行った事ないからな。場所も分からない。』
「え?!じゃあ誠也さんも初めて、、ですか?」
『あぁ。』